はじめに                                                      

1.阿波忌部とは何者なのか

2.本書の目的と阿波忌部

3.徳島県民と阿波忌部

4.忌部氏とは何か

5.旧美馬郡と阿波忌部

6.徳島県の旧地名と現在地名

7.徳島県における阿波忌部族の根拠地に祀られた諸神社        

第1章 阿波忌部族の源流を探る                                     

第1部 阿波の名称の由来と阿波忌部                                 

1.阿波の地名と阿波忌部                                                     

2.阿波忌部とオオゲツヒメ信仰                                           

(1)古事記と阿波のオオゲツヒメ

(2)阿波忌部と五穀伝承 

(3)阿波忌部と養蚕伝承

(4)オオゲツヒメ信仰と名西郡神山町

3.オオゲツヒメ信仰の源流を探る                                                                          

(1)日本の穀物起源説話 

(2)阿波忌部とウケモチとの関係を探る

(3)オオゲツヒメ型神話はどこからやってきたのか

第2部 オオゲツヒメ型神話の源流と照葉樹林文化論                              
1.日本文化の源流と照葉樹林文化                                        

(1)阿波忌部の起源と照葉樹林文化論の展開

(2)照葉樹林文化論の枠組み 

2.イザナミ神信仰の源流と阿波                                                                          

(1)阿波に祭られたイザナミ神(女神) 

(2)阿波国美馬郡に坐す式内社「イザナミ神社」

(3)阿波国美馬郡はイザナミ・イザナギ信仰の発祥地

(4)イザナギ神の生誕地と阿波

(5)「天椅立」伝承と美馬郡

(6)イザナミ・イザナギ神信仰の源流を探る

3.粟国と命名された起源を探る                                                                               

(1)粟は米に次ぐ主穀物であった

(2)ヤマト王権の成立と粟

(3)阿波国(粟国)の由来と[粟]

4.粟の新嘗と阿波忌部                                                 

(1)筑波の「粟の新嘗」と「新嘗祭」

(2)「粟の新嘗」の源流を探る

(3)常陸国と筑波山と阿波忌部

(4)阿波から[粟]文化の伝播ルートを追う

5.阿波忌部の榖と照葉樹林文化                                          

(1)榖を植えた阿波忌部

(2)榖の文化のルーツを探る

第3部 旧美馬郡などの忌部族居住地域における焼畑農耕の痕跡とその文化を探る      

1.日本における焼畑農業の実態とは

2.旧麻植郡・美馬郡などにおける焼畑農業の実態

3.焼畑農業の方法と焼畑前の儀礼 

(1)焼畑に関わる儀礼を調べる

(2)入山儀礼と「カギカケ」 

(3)「火入れ」儀礼 

(4)火伏せの儀礼  

(5)虫除け儀礼・呪術

(6)焼畑文化圏にまつわる地名を探る

(7)焼畑文化圏で栽培される「里芋」と阿波忌部  

(8)焼畑文化圏における天狗信仰と阿波忌部 

(9)焼畑文化圏と「鶏の伝説」 

10)男根石(性石)信仰と焼畑との関係を探る 

11)照葉樹林文化と天岩戸神話

12)照葉樹林文化と日本の昔話

13)阿波番茶のルーツと照葉樹林文化

14)竹の文化と照葉樹林文化と阿波忌部

15)照葉樹林帯とコンニャク文化と美馬郡

16)桑を食べない蚕と絹の生産

17)漆と阿波     

18)照葉樹林文化と歌垣と阿波  

19)照葉樹林文化と山の神と精霊信仰

20)山の神と聖所の形成と阿波忌部の居住地

第4部 阿波忌部の源流~イザナミ・イザナギ、オオゲツヒメ型神話の渡来時期を探る~

1.縄文後期から晩期に阿波に流れ着いた渡来民

2.環境考古学と神話学からの考察

3.渡来時期を考古学的証拠から考える

4.阿波に渡来した理由とは何であったのか 

5.阿波の考古学的遺物から渡来時期を探る

6.イザナミ・イザナギ神、オオゲツヒメ神信仰を携えた渡来民の航路を探る

7.阿波忌部の祭祀遺跡の謎を解く

第5部 阿波への弥生文化の渡来とマツリ                                                      

1.日本列島への弥生文化の渡来

2.稲作はどこから伝来したのか 

3.弥生時代の食糧事情。コメは本当に主食なのか。

4.稲作の伝来と焼畑・畑作系耕作民 

5.弥生文化の伝来と呉越の争い  

第6部 弥生時代における首長の誕生と阿波のマツリ                

1.弥生期における首長の登場

2.弥生期における阿波のマツリⅠ(銅鐸)

3.弥生期における阿波のマツリⅡ(祖霊祭祀) 

4.弥生期における阿波のマツリⅢ

第2章 阿波から倭国創生へ                             

第1部 倭国におけるクニの成立と東アジア情勢                    

1.弥生期におけるクニ(小国)の誕生

2.戦国時代を統一した秦 

3.漢王朝の成立と楽浪郡 

4.奴国・伊都国の王 

5.高地性集落の形成と阿波

6.23世紀前半の西日本各地における首長連合の成立   

第2部 カネガ谷遺跡から倭国の誕生へ                                 

1.カネガ谷遺跡からの阿波 

2.「カネガ谷遺跡」が出現した背景と奴国の朝貢

3.先進的な鉄器の製造・流通と阿波   

4.「倭国の誕生」とは3世紀前半の邪馬台国連合(倭国連合)の成立を指す         

5.ヤマト王権の成立と前方後円墳の誕生       

6.邪馬台国とヤマト王権の成立との関係

第3部 邪馬台国の女王・卑弥呼の共立とヤマト王権誕生に向けた動き     

1.倭国大乱と王権への胎動 

2.卑弥呼の在位時期

3.倭国大乱の原因の一つとなった気候変動  

4.ヤマト王権の発祥地である王都・纏向遺跡の成立

(1)王都・纏向遺跡の衝撃と卑弥呼の宮殿(?)の出土

(2)最古の前方後円墳とされる国指定史跡「纏向石塚古墳」      

(3)纏向勝山古墳・東田大塚古墳・矢塚古墳

(4)卑弥呼の墓の最有力候補「箸墓古墳」  

(5)日本最古の前方後円墳である「ホケノ山古墳」の衝撃        

第4部 阿波からヤマト王権誕生に向けての胎動                   

1.日本最古の前方後円形墓「萩原2号墓」 

2.「萩原2号墓」の後続として造営された「萩原1号墓」  

3.ホケノ山古墳の起源と判明した「萩原1.2号墓」 

4.吉野川上流部への波及と足代東原遺跡 

5.ヤマト王墓のルーツとなった「西山谷2号墳」                    

6.弥生墳丘墓である「天河別1号墳」 

7.積石塚古墳と阿波忌部 

8.ヤマトの王墓に見られる葺石と積石塚

9.「画文帯神獣鏡」の分布と邪馬台国連合の成立

10.「三角縁神獣鏡」と邪馬台国と阿波

11. 阿波からの搬出された水銀朱    

12.. 阿波の弧帯文祭祀と火・水のまつり                                            

(1)弧帯文祭祀のヤマトへの流入

(2)火・水のまつりと王権祭祀

13. 土面祭祀と纏向遺跡の木面祭祀             

14. 東阿波式土器や阿波系土器の畿内への搬出

15. 阿波は畿内前期古墳への石材供給地 

(1)古墳前期の世界 

(2)近畿の竪穴式石室の構築に派遣された阿波の技術集団   

(3)石棒祭祀から竪穴式石室へ、結晶片岩の神性の起源を探る                                  

(4)出雲・大和などの玉作りに使用された聖なる阿波の結晶片岩     

(5)その他の阿波の結晶片岩の用途と搬出     

第5部 阿波の海洋民勢力の源流を探る                         

1.  阿波に存在した海洋民勢力の謎

2.阿曇族とは何者か

3.阿波に拠点を構えた阿曇族

4.旧麻植郡・美馬郡における阿曇族の痕跡 

5.那賀川流域iにおける阿曇系海洋民の痕跡と阿波忌部

6.勝浦川流域における阿曇系海洋民の痕跡と阿波忌部   

7.海部郡のワナサオフト神と阿波忌部

(1)ワナサと丹後国の天女伝説 

(2)ワナサヒコの出雲国への進出 

8.大嘗祭と那賀の潜女   

9.事代主神と阿波忌部

(1)出雲神話とコトシロヌシ

(2)阿波忌部とコトシロヌシ

(3)鴨都波八重事代主命神社と阿波

(4)三輪山と阿波のコトシロヌシ

10. 名方郡の阿曇族の移動とタケミナカタ

11. 神功皇后伝説と住吉信仰、「宇美」信仰の伝播   

12. 阿波の阿曇系海洋民と海人族

13. 阿波の阿曇系の後裔の活躍      

14. 阿波忌部族の航海船「カンドリ」の謎

15. 阿波忌部族の航海船団を証明する木材王国阿波  

(1)木材王国「阿波」の原像を探る    

(2)船の用材として最適な阿波の黒心杉の謎を解く     

(3)「杉尾神社」と「杉山神社考」   

16. 「魏志倭人伝」に見る阿曇系海洋民のルーツを探る   

第6部 神武天皇の東遷と阿波                              

1.謎に満ちた神武天皇伝説

2.なぜ、南九州が神武の出航地にされたのか

(1)南九州は日向三代の地

(2)日向神話の南九州への編入時期

(3)本来の日向神話の故地は北九州か

3.阿波・讃岐勢力による神武誕生伝説の創出 

4.考古学的見地から検証する神武生誕伝説

5.讃岐勢力とヤマト王権

6.阿波忌部は神武東遷の海路を案内した珍彦(椎根津彦)

7.神武東遷を導いた金鵄(金鳥)は阿波忌部

8.天香具山信仰と阿波忌部

9.天香具山命と阿波忌部

10. 八咫烏と金鵄と阿波忌部

11. コトシロヌシと神武天皇の系譜 

12. 神武天皇の后と阿波勢力との関係

13. 神武東征と天日鷲命の伊勢平定

(1)伊勢国の平定と阿波忌部

(2)伊勢神宮の内宮・外宮の成立と阿波忌部

14. 神武紀と阿波忌部の東征

15. 太玉命の出自と天富命

16. 天富命の系譜・出自と阿波忌部

17. 神武天皇の陵墓は何処に  

第7部 崇神天皇の系譜と阿波・阿波忌部勢力                    

1.崇神天皇とは

2.三輪山式説話と阿波

2.崇神天皇の母である伊香色謎命と阿波忌部

3.倭大国魂の移遷と阿波忌部

4.ヤマトトヒモモソヒメと東四国勢力の東遷

5.阿讃におけるヤマトトヒモモソヒメに関係する伝承地 

6.四道将軍と阿波忌部

(1)吉備国と東四国勢力

(2)豊城命と阿波忌部

第8部 ヤマト王権の創生に纏わる大麻と阿波忌部                  

1.大麻と日本人 

2.大麻と大嘗祭と阿波忌部 

3.大嘗祭の内容と「由加物」

4.大嘗祭の内容と麁服(麁妙服)

5.阿波忌部氏による麁服貢進

6.大嘗祭と麁服の本質的意義

7.阿波忌部の大麻 

8.阿波忌部の神麻の伝播

9.阿波忌部の麻のルーツを探る

10. 阿波忌部と漁業と麻

11. 阿波忌部と農業技術の伝播

(1)カヤヒメと阿波忌部

(2)阿波忌部の農業技術と「種」  

(3)倭国創生における農業技術と種穂山伝承     

(4)種と「日知り」とヤマト王権の成立

(5)自然循環型の忌部型有機農法     

(6)山の民(忌部族)の多様性農業

(7)総合的農業技術の伝播と「鎮守の森」の創生    

12. 阿波忌部の麻織物と阿波藍の起源

13. その他、阿波の火打石      

第9部 阿波忌部と木綿文化                                

1.木綿の歴史と日本文化

2.大麻・木綿と大嘗祭の成立

3.阿波忌部の穀と美馬郡・麻植郡

4.阿波忌部の榖の文化の伝播

5.阿波忌部が植えたる榖と製紙技術の伝播 

第10部 阿波忌部族と絹織物                               

1.阿波忌部と養蚕技術の伝播

2.阿波忌部の根拠地と養蚕

3.阿波忌部族の伊勢・三河への絹織技術の伝播

4.阿波忌部族が絹織技術をもった背景を探る  

11部 阿波忌部と日本固有の倭文織                         

1.倭文の文化 

2.倭文と阿波忌部

3.長幡部と阿波忌部

第12部 古語拾遺による東国開拓伝説と阿波忌部                  

1.阿波国の肥饒地が意味するもの      

2.「更に沃き壌を求めて、阿波の斎部を分ち、東の土に率往きて」が意味するもの   

3.阿波忌部の東遷伝承と考古学的検証          

13部 魏志倭人伝と阿波忌部―阿波は邪馬台国の母国であった―     

1.邪馬台国論争と「阿波は邪馬台国の母国説」の提唱           

2.魏志倭人伝の記述と阿波

2.邪馬台国を支えた航海力と海洋民と阿波  

3.邪馬台国の生命線となる大和川と淀川流域を抑えた阿波勢力   

4.邪馬台国を支えた阿波の鉄器技術

5.邪馬台国連合(倭国連合成立)までのストーリー  

(1)卑弥呼共立の背景

(2)邪馬台国の男王と「ホケノ山古墳」の被葬者

(3)阿波で共立された卑弥呼(日巫女) 

(4)卑弥呼の阿波からの移遷と「大倭」(纏向)の建設 

(5)邪馬台国の男弟と外務大臣であった難升米                              

(6)卑弥呼による宗教改革と「倭国」の誕生  

(7)倭国連合の範囲、卑弥呼を共立したメンバーを探る 

(8)倭国王・卑弥呼の外交    

(9)ヤマト政権の誕生と古墳の創出                 

10)卑弥呼はヤマトトヒモモソヒメだったのか?

11)卑弥呼の死後とヤマト政権

14部 阿波忌部族の源流と倭国創生の記憶                    

1.阿波忌部のルーツと北方系  

(1)忌部氏とタカミムスヒ神    

(2)金鵄と阿波忌部族のルーツ  

(3)八咫烏と阿波忌部族のルーツ   

(4)神武東遷説話と阿波忌部族のルーツ 

(5)ヤマトの建国神話と北方神話     

2.阿波忌部族のルーツと南方系       

(1)天から穀物の起源を地上へと下った伝説 

(2)イザナミ・イザナギ神、オオゲツヒメ型神話の源流

(3)阿波忌部と天岩戸信仰の源流と南方系      

(4)豊玉比売信仰や山幸・海幸神話の源流と南方系  

(5)照葉樹林文化の残存と南方系  

(6)『魏志倭人伝』の記述と南方系

(7)神道祭祀と南方系     

3.アマテラス信仰と天日鷲命 

4.「倭国」の[倭]が意味するもの 

5.倭国の創生と阿波忌部族       

15部 ヤマト王権の成立後における阿波忌部族の動向              

1.畿内へ技術移転した時代を締めくくる海の王者「大代古墳」

2.古墳時代の変化-神権政治から武人政治への変容と忌部族の衰退-         

3.阿波忌部氏と中央忌部氏     

4.阿波忌部氏と古墳時代後期 

5.飛鳥・白鳳時代と阿波忌部  

6.奈良時代と阿波忌部

7.南北朝・室町・安土桃山時代の阿波忌部

8.江戸時代以降の阿波忌部      

特別寄稿・葛布と阿波忌部についての考察

附録-吉野川流域における阿波忌部族の諸神社                                    

1.名神大社「大麻比古神社」 

2.名神大社「天石門別八倉比売神社」

3.大宜都比売神を祀る「上一宮大粟神社」

4.牛島八幡神社~麻植神を祀る「麻宮」~

5.岩戸神社と岩戸磐座遺跡

6.山崎忌部神社(天日鷲社)~麻殖神を祀る「忌部神社」に比定される古社~

7.式内社「天村雲神社」

8.嵯峨天皇が再興した「川田八幡神社」

9.「種穂忌部神社」~倭国創生に関わる阿波忌部族の拠点社~

10. 忌部の宮人が祀る「白人神社」と「磐境神明神社」 

11. 国重要文化財・三木家住宅~麁服の出立地と阿波忌部の長者~

12. 「御所神社」~四国一宮と称された「忌部大神宮」~ 

13. 天日鷲命を祀る「友内神社」と友内山 
14. 天磐戸神社・下宮神社                       

「倭国創生と阿波忌部」の目次