講演趣旨

阿波忌部族とは、四国東部の阿波を拓き、ヤマト王権の成立直前である34世紀に、日本各地へ進出して、優秀なる種を携え、麻・榖を植えるとともに、農業・養蚕・織物・製紙などを伝えた産業技術集団で、ヤマト王権誕生の立役者となった。その阿波忌部族は、優秀なる種と暦技術、卓越した農業技術を携えて黒潮で渡来し、さまざまな文化を伝播していった。結城市の「大桑神社」、小山市粟宮「安房神社」、馬頭町「鷲子山上神社」の社伝はその歴史を現在に伝えている。また、野州麻や烏山和紙もその流れの中にあるだろう。その阿波忌部族がもつ大麻は、倭国創生へと導いた聖なる大麻でもあった。そして、麻に秘められた謎や現在にまで継承されている忌部型有機農業をも紹介する。

「倭国創生と阿波忌部」出版記念講演会~京都大学名誉教授・上田正昭氏推薦~

    

大麻を植え東国を拓いた阿波忌部~麻の歴史から見た倭国創生の謎を解く~

と き 平成22年(2010年)7月24日 14:00~16:00

ばしょ 栃木県宇都宮市 栃木県立博物館大ホール

主 催 下野阿波歴史民族研究会

共 催 栃木県立博物館・栃木県歴史文化研究会民俗セミナー

※出版記念講演会の第一回目は、栃木県2回目の記念講演となった。会場には、県立博物館の歴史講演会としては異例の約120名の聴衆を集めて講演した。参加者は、栃木県のみならず、東京・千葉・福島・群馬・静岡・大阪の広範囲に及んだ。栃木県と徳島県が麻をキーワードにつながろうとしている